2026年1月12日
ADHD原論
2026年最初の回。年末年始、福尾は妻の実家で「マスオさん」をやり、 荘子itは夜だけ家にいない生活を始めた。 『異国日記』『ADHD2.0』『治りはしないが、マシになる』を手がかりに、 ADHDと一緒に暮らす側のストレス、そして 「ネガティブ・ケイパビリティという言葉が嫌いだ」という福尾の話へ。
話の流れ
- 1:20マスオさんの年末年始妻の実家に8人で1週間。気を使わせてしまっていることを気にしている。紅白のあいだ一人だけ2階でRIZINを見ていた。
- 3:20わざと空気を読まないフードコートのカツカレーを「普通っすね」と言ってしまう。そうしないと家で出してもらうご飯の「美味しい」が本当にならない。
- 7:00夜だけ家にいない生活リズムが合わないので、朝はいなくて向かいから来る形にしてみている。妻のほうから提案された。娘が窓の外の通行人を見て「あ、パパいた」「パパじゃない」とやっている動画が朝送られてくる。
- 12:00異国日記ヤマシタトモコ。主人公の小説家・槇生は明らかにそういう人だが、発達障害という言葉は一度しか出てこない。荘子itは「自認が槇生さんになる」。
- 15:00ADHD 2.0エンジンはスポーツカーなのにブレーキが自転車。時間意識も「今か今じゃないか」しかない。読むと励まされる。
- 18:50なぜ友達付き合いだと問題化しないのかこの日の収録も、朝に日程が決まって時間も二転三転した。二人の「今」のランプが同時に点灯したら収録が始まる。
- 23:20ADHD的な展開プログレが好きだから展開をコロコロさせているつもりだったのに、海外のレビューでそう書かれた。そういうジャンルがあるらしい。
- 23:20ネガティブ・ケイパビリティが嫌い傍から見て決断らしい決断をしていないからネガティブと言われるが、当人は頭の中で小さい決断を無数にやっている。「やってるんだけど」。
- 29:20タロットと算命学「人に提案されたやり方をまずやってみる」と出た。それがまさに一度別居して通い婚にしてみるという、ずっと議題に上がっていたやり方だった。3ヶ月後は良くなっているらしい。
- 33:04一人の外食は絶対に麻婆豆腐決めてしまうのはいい。四川系の黒っぽくて汁っぽくないやつ。チェーンのとろみのついたのはかなり嫌い。
- 36:59Dos Monos 2 は空間今までは塊が投げつけられている感じだったが、今回は音の広がりが感じやすい。3人でトラックを流してラップするだけでも入る曲を意識した。
- 39:16大声でラップしている人が今いないいまのラップはボソボソ系。あんな大声で言いたいことがある人たちなんだ、というのが一発で分かるのがいい。
- 42:14発酵というメタファーが嫌い頭に放り込んでおけば2、3年で勝手にいいアイデアになる、という語り方。ネガティブ・ケイパビリティ嫌いと完全に同じロジックだと福尾は言う。
- 44:23デフォルトモードネットワークで仕事している傍からぼーっとして見える状態のときに細かくいろいろやっていて、書いているときに出てくるのはその結果でしかない。
- 49:27子供に未来を託すエンド自分に子供ができてから、そういう終わり方に爽快感を覚えづらくなった。もっと地味に長く続く戦いのほうがある。
- 1:00:52外から見えていないが何かしている瞬発力で気の利いたことを言うのではなく、ちゃんと面白いことを考えていたんだと分かること。それが人間への信頼につながる。
- 1:04:56人を傷つけないお笑いというカテゴリーペコパがその括りで処理されてしまったために拾えなかったものが、いま拾われつつある。傷つける/傷つけないという大雑把な対立ではなく。
- 1:06:00バックヤードを「裏庭」と訳すトランプの「中南米はアメリカのバックヤードだ」がなぜ裏庭と訳されるのか。福島は東京のバックヤードだ、という言い方と同じ言葉を使いたくないのではないか。
- 1:08:59見晴らしのいい島宇宙純粋な島宇宙は自分以外の宇宙があると知らないはずなのに、いまはみんながそれを知ったうえで島宇宙をやっている。
この回で出てきた言葉
- 異国日記共同生活が無理で一人暮らしをしていた小説家・槇生が、 姉の死で天涯孤独になった姪を引き取って暮らし始める話。
- 今か今じゃないか『ADHD2.0』にある時間意識の説明。
- ADHD的な展開荘子itはプログレッシブ・ロックが好きだから「ヒップホップのくせに 展開がコロコロする」つもりでやっていたのに、海外のレビューで 「ADHDっぽい展開」と書かれた。
- ADHD 2.0アメリカの専門家によるADHDの解説書。
- 子供に未来を託すエンド自分に子供ができてから、子供に未来を託す系の終わり方に 爽快感を覚えづらくなった、と荘子itは言う。
- デフォルトモードネットワークで仕事している『ADHD 2.0』によれば、脳には「デフォルトモードネットワーク」(ぼーっとしている、 特に何をしているわけでもない状態)と「タスクポジティブネットワーク」 (いまこれをしているとはっきりしている状態)があり、 普通はそれを切り替えながら
- 治りはしないが、マシになるADHDの診断を受けるところから始まるエッセイ漫画。
- ネガティブ・ケイパビリティが嫌いネガティブ・ケイパビリティとは、決断や判断をして何かをやるポジティブな能力に対して、 ままならなさやどっちつかずの状態、矛盾を抱えたまま生きられることも 一つの能力だ、という考え方。
- バックヤードを裏庭と訳すベネズエラ関連の報道で、トランプの「中南米はアメリカのバックヤードだ」が どこでも「裏庭」と訳されている。
- 発酵というメタファーが嫌い自分の考えが育っていくことを「発酵」で語る言い方——頭のなかに放り込んでおけば 2、3年経って勝手にいいアイデアになる——が少し前に流行った。
- 一人の外食は絶対に麻婆豆腐荘子itが自分に出した提案。
- マスオさん状態福尾が妻の実家で過ごす年末年始。
- 見晴らしのいい島宇宙町山智浩が東浩紀のスクリーンショットを延々と投稿し続けている、という話から。
- ヤマシタトモコ『異国日記』の作者。
- 夜だけ家にいない荘子itが2026年から始めた生活。
- わざと空気を読まない福尾が半分意識的にやっていること。
この回からの引用
なんかあんま何考えてるかわかんないけど、嘘はついてないなみたいなラインをちゃんと作りたい。
傍から見たら決断らしい決断をしてなかったり、行動らしい行動してないからネガティブって言われるんだけど、でも当人にとってはめっちゃいろいろやってるんだよね。頭の中でずっとぐるぐるやってて、ちっちゃい決断を無数にずっとやってる状態を過ごしてるっていう感覚があるから。
ネガティブケイパビリティ嫌いと、発酵メタファー嫌いは、完全に同じロジックって感じがするんだよな。
本体はやってるともやってないとも分かんないような状態で、細かくぐちゃぐちゃ転がってる状態の方が、仕事の本当の仕事の部分って感じがするんだよな。
純粋な島宇宙は、自分以外の宇宙がどっかにあるって知らないのが島宇宙だと思うんだけど、みんなが島宇宙であるっていうことを知ってる中で島宇宙。