アウトリーチという言葉が嫌い
あうとりーちということばがきらい
大学でよく使われる「専門知を社会に還元しましょう」という言葉。
番組より
アウトリーチって大学の中でよく使われる言葉なんだけど、専門知を社会に還元しましょうみたいな。でもそれって普通に権威主義じゃんって、ずっと昔から思ってて。
この項目について
福尾は大学院生になった頃からこれが本当に嫌いだった。 「それって普通に権威主義じゃん」——こっち側にちゃんとリソースを確保しておいて、 それを薄めたものをちょろちょろ社会に配る。しかもいい人づらしてやっている。 そうではない哲学の入門書が作れたらいい、というのが新書のモチベーションになっている。 「社会に還元する言葉」ではなく、作品の中の本当に面白い・すごいという感覚を 大義名分でない形で言葉にすること、という後半の議論とも通じる。
この項目が出てくる回
関連項目
- 勉強するとキモくなる千葉雅也『勉強の哲学』(2017年)の核心。
- 入門書のジレンマ福尾が書き始める初の新書のモチベーション。
- 批評はステルス化する批評能力は、もっともらしい批評文を書くという形では達成されなくなっていくのかもしれない。
- 私性の形式化エッセイブームと並行して、「私性」というものの形式そのものが偏り、 固まっていっている——丁寧な暮らし的な何か、ケア的な何か、 あるいは逆にケア的な何かへの違和感、といった方向に。
- 内実が分からないとモンスター化する『ブラックボックス・ダイアリーズ』の捜査官A——伊藤詩織にきわめて協力的だった人物が、 最終的に彼女をひどく傷つける。
- それぞれ勝手にやっているからやりとりが発生する葉山莉子がTinderでマッチした相手に日記を送っていた——一番多いときは 同時に100人へ——という話から福尾が引き出した形。
- バカし合い込みのリアル頂き女子りりちゃんや国際ロマンス詐欺と並べて考えると面白い、という文脈で。
- 心の交流と性のあいだのジャンプ『青野くんに触りたいから死にたい』が良かったのは、 最初がただの一目惚れ、ただ触りたい・セックスしたいという (しかも女性側からの)性欲でしかないところから始まり、 お互いの人格形成に関わる家族の問題がすごい深度で描かれたあとで、 「深い人
となりで喋られていたこと
韻を踏んでいること
この項目に言及している項目
- 青野くんに触りたいから死にたい冒頭1ページで、ステレオタイプの圧縮によって超高速にラブコメが始まり、 青野くんが速攻で死ぬ。
- TinderレモンケーキエフェクトTinderでマッチした相手に日記を送る、という謎のプロジェクトから生まれた日記本。
- 動物化するポストモダン新書でありながら超平面性やラカン理論の謎の変形までやっていて、しかも10万部いった。
- ブラックボックス・ダイアリーズ荘子itが「めちゃめちゃいい映画」と評する。
- 勉強の哲学勉強は世のノリ・社会のノリから外れて「キモくなる」ことを経由する、 という前提から出発している本。
- 町山智浩再評価『ハート・ロッカー』論争で町山は、作品だけを見れば「どちらとも取れる」ところを、 エンディングテーマにミニストリーを選んでいるという選曲の意図まで読み込んで 「その解釈はありえないんだ」と潰していった。
- 山口一郎サカナクション。