2025年9月22日
立ち上げ恐怖症
家族で片道7、8時間かけて富山へ行った話から、鈴木忠志の車椅子演劇へ。中盤、小説の一行目を読んだだけで「何立ち上げてんだよ」と思ってしまう、という症状に名前が付く。後半は野球の3割打者をめぐる、確率とは何かという話。
話の流れ
- 0:09もう名乗らない2週続けて靖国は重すぎるんじゃないか、という話から。
- 2:57片道7、8時間かけて富山へ家族で車で。休憩を入れてそれくらいかかったが、それも含めて楽しかった。
- 5:52テントで泊まるのも楽しい完全な山奥の村で、川が。翌日は金沢に一泊して帰った。
- 8:47車椅子演劇鈴木忠志の演出の特徴。役者がみんな車椅子で移動する。アクロバティックで雑技団的な要素もある。
- 11:42新作を見に行くのとは全く別の体験行くまでの道中も含めて。1年に1回行くというのが。
- 14:38知っている人間がこんなふうに見える大学1年のとき、TaiTanたちの劇団の1年生公演を見て涙が止まらなかった。
- 17:33区民ホールの子供向けの舞台王様の耳はロバの耳、星の王子さま。あれが楽しい。
- 20:29ああいうのがいっぱいあってほしいこれからも残ってほしい。今のうちに言っておかないと。
- 23:24独立独歩でずっとやっている同じことをずっとやっているだけでもない。あの感じができるのは。
- 26:20『八月の光』はとんでもないどうしても入ってこなくて途中でやめていたが。マジックリアリズムの源流を一番濃い形でやった人。
- 29:15ヤクザをホストにしている一コマ目だけ見た。コントっぽいけれど面白い。
- 31:30何立ち上げてんだよ冒頭数十秒でもうそう思ってしまう。分からないのではなく、怒りに近い何か。
- 32:10一行目でアレルギーが出る昔のものなら全然大丈夫。コンテクストのなかに埋め込まれているから。
- 35:06ずっと新しい何かを摂取し続けている人とりあえずNetflixを見ています、という人がいる。ドラマも含めてずっと楽しそう。
- 38:033割打者と2割5分打者結果としてめちゃくちゃ違う。その差にどういう意味があるのか。
- 40:58確率とは何なのか固定観念をぶち壊すときに数字のトリックはよく使われる。本当は打つか打たないかの二択なのに、履歴のなかに偏りがある。
- 44:00音がいいわけではないネット上で、ある人の音が良かったのか悪かったのかが一瞬論争になっていた。
- 46:55QRコードのステッカーにする3年分を丸々一冊にするのはコスト的に見合わないという話だったので。いろんなところに貼ってもらう。
- 49:50どこから読んでもいいですよ感デリダの、上段と下段で別の文章が走っているようなものを、東浩紀経由で知っている。
- 52:45後ろからも読める絵本犀がそういう絵本を持っている。文章のない絵本だからできる。
- 55:40本は不思議なグッズだテキストだけで言えば、無料で読めるものが膨大にあるのに。
- 58:35野球と全然関係ないのがいい最近見ているYouTube。めちゃくちゃ怖い顔の不動産屋。
- 1:01:30新書ブーム人文の新しい形での流行があって面白いと思うけれど。
- 1:04:26自分たちのルーツを面白がって喋る日本論が大事なんじゃないか、という話。大事という言い方は良くないかもしれないが。
- 1:07:21縄文に本当の日本を求めた人国家神道のようなものに対抗するために。それが結局最終的に天皇制へ。
- 1:10:16オーガニック志向との親和性なぜそうなっていったのか、という問題意識から原典を辿ったもの。
- 1:13:12遡ると受けがいいハイデガーが一番顕著だが、そういう類型は絶対にある。
- 1:16:07大正という中途半端な時代古きよき日本的なものと、近代化・個人主義の波とが。
- 1:19:02だらしない八百万の神感バラッとみんな散らばっている感じ。最終的にそこに行き着くのがいい。
- 9:07世界は病院である人間はすべて精神病で、この世界も精神病棟のようなものだ、という見立て。
- 38:41出塁率で見ると打率では5分の差でも、3割打者と2割5分打者の間には埋められない溝がある。
- 1:00:53押しの強くないコミュニケーション教養の復権ではなく、ずっと聞いていられるものとして流通している。
- 1:18:10その事実より先のことは語りませんデュメジルの禁欲的な態度。めっちゃ遡るのだけれど。
この回で出てきた言葉
- 行くまでの道中も含めて鈴木忠志の演劇を利賀村まで見に行くことについて。
- 鬼滅の刃とシャーマンキングの違い『鬼滅の刃』は、古き良き日本的なものと近代化・個人主義の波が同時に来ている大正時代を舞台にしていて、鬼舞辻無惨たち鬼は西洋風の格好をした不老不死=個人主義の極北、炭治郎たちは仲間や家族のために戦うというイデオロギー闘争として読める。
- 靴ひもにGショック近所を散歩していたら、前をものすごく腰の曲がったおじいさんが歩いていた。
- 区民ホールの子供向けの舞台王様の耳はロバの耳、星の王子さま。
- 遡って見つけたものを起源として祀らない日本的なものを求めて考え抜いた末に、素朴に右派的な結論に行ってしまう——中島岳志の縄文の本も、國分功一郎の『原子力の哲学』も、その解毒作用の本として読める、と荘子it。
- 3割打者と2割5分打者福尾が最近落ち着くのは、自分に全然関係ない世界のことを解説しているYouTubeだという。
- 知っている人間がこんなふうに見える大学1年生のとき、TaiTanたちが劇団の1年生公演をやったのを見て、涙が止まらなかったという話。
- 純子ネバーダイ荘子itの妻が担当編集をしている漫画家・地球のお魚ぽんちゃんがネットに出した40ページほどの短編。
- 知らないことがいいことでも悪いことでもない状態靖国の話をしたり日本の話をしたりしていて、「大事だと思って喋っているんだけど、本当かな」とふと思ってしまう、と福尾。
- 世界の果てからこんにちは鈴木忠志が率いるSCOTが、富山の利賀村で毎年やっている演劇祭のメインの野外劇。
- 世界は病院である鈴木忠志の演出の特徴は車椅子演劇で、役者がみんな車椅子で移動する。
- 立ち上げ恐怖症福尾が自分の症状として言い出す。
- 淡々と人が喋っているのを聞いていたいコテンラジオやゆる言語学ラジオのような教養コンテンツが来ているのは、教養の復権という話ではなく、ある程度長い、変な高低のないコミュニケーションをずっと聞いていられるということでしかない気がする、と福尾。
- 八月の光どうしても入ってこなくて途中でやめていたが、読み直したらとんでもないと思った。
- 前からも後ろからも読める絵本荘子itが覚えている絵本に、右から読むと青鬼の視点、左から読むと赤鬼の視点という、戦争をモチーフにした作りのものがあった。
- ランダムに日記に飛ぶボタン3年分の日記を丸ごと一冊にする本の企画が動き出した。
この回からの引用
コンセプトとして鈴木忠志が世界は病院であるみたいな、全てがなんか人間全て精神病で、この世界っていうのも精神病棟みたいなものだという見立てで演劇を成立させてるわけで。
→ 世界は病院である
単純に1個のコンテンツとして見に行く、新作の演劇とかを見に行くとかとは全く別の体験だから。さっき言ったような行くまでとかの道中とかも含めて。
やっぱ涙が止まんなかったの。知ってる人間がこんな風に見えるっていう。
特に最近の小説とか最近の映画とか見ると、冒頭数十秒でもうなんか、何立ち上げてんだろって、立ち上げんなよって思ってた。
→ 立ち上げ恐怖症
何立ち上げるんだって素直にわからないんじゃなくて、てめえ何立ち上げてんだよっていう怒りね。
→ 立ち上げ恐怖症
特になんか最近の小説の一行目とか読むと、もうそれだけでなんか立ち上げようとしてると思って、それでなんかもうなんかちょっとアレルギー出ちゃうみたいなところがある。
→ 立ち上げ恐怖症
チラッと見たら靴ひものところにGショックつけてて、かがんだ状態で下を向きながら時計を見れるように、靴ひもにGショックつけてたんだよ。
打率で言うと2割5分と3割っていうのはそんなに差がないんだけど、出塁率で見ると3割超えるような人は出塁率4割とかいく。2割5分打者だと出塁率は3割ぐらいにとどまるみたいな。
確率って何なのかって話なんだよな。本当は打つか打たないかの二択なんだけど、そこにその履歴の中に偏りがあると、それが純粋なフラットな二択には見えなくなってしまうっていう。
僕のサイトの中にランダムに日記に飛ぶボタンっていうのがあって、それポチポチ押すと日記がランダムに出てくるんだけど、それをQRコードのステッカーとかにしてすると結構楽しいんじゃないかな。
淡々と人が喋ってるのを聞いてたいみたいな、あると思うんだよね。
それ知らないこと自体は別にいいことでも悪いことでもない。知らないことがいいことでも悪いことでもないっていう状態が維持されてることが、本当は一番大事なんじゃないかみたいな。
そこを遡った結果との帰結として、彼らが血で血を洗い作り上げた日本国に生きる以上敬意を払い続けていかなければならない的なメッセージはないわけよ。「おろろー」でええやんっていうところに最終的に行き着くのがいいんだよね。
これがあるのは事実です、その事実より先のことは私は語りませんっていう、すごくめっちゃ禁欲的な態度を貫いた人だと思うんだけど。
でもその遡って見つけたものをすごい特権的な何か起源として崇め立て祀って、それをある種社会を統べる構造として採用するみたいなことは、別にやらなくてもいい。