2026年3月23日
朝まで何かを待つおじさん
家具の音楽という言葉から、ヒップホップは部屋に溶け込むという話へ。そこから料理を教えることの微妙さ、交換様式の外部感、そして自分の作ったものが自分を別のところへ連れていく感覚まで。
話の流れ
- 0:00セッティング中にお互いの本を読む福尾が『置き配的』を、荘子itが『非美学』を読む時間があった。ベルセルクもあるのに自分の本を読む。
- 3:11家具はフランス語で meuble家具論を書いているわけではないが、その語がやはり大事。
- 6:23ヒップホップは家具の音楽マッドリブのレコードを部屋で流すと、めちゃくちゃ溶け込む。だが中で鳴っている音は東西のいろんなものが入っている。
- 9:35アンビエントは空気、家具はもっと個体アトモスフィアの話とは違って、家具の音楽はごちゃごちゃした固体である。
- 12:45青森に行った話J Mascis のライブアルバム。『置き配的』にも書いた。
- 19:05何でも入れたビーフシチューブロッコリーの芯まで入れた。その瞬間が一番好き。
- 22:16料理を教えることの微妙なライン料理を広める、教えるということには、良くも悪くも微妙なところがある。
- 25:28概念の話になってしまう三宅香帆と長谷川明理は存在として近い。
- 28:39夜中に走りたくなることをAIに相談したそうしたらそれは完全に、と言われた。
- 31:50車から出ないで1時間半帰ってきて車の中で何かしている時間がある。そこに連帯を感じた。
- 35:02交換様式の外部感シュプリームに並ぶことは資本主義そのもので、転売もできてしまう。それとは別の何かがあるのか。
- 38:12これが一番気持ちいい、を見つけるそれも一つの目標ではある。だが作品を作ること自体、毎回何か新しいものを生み出している感じがある。
- 41:24自分の作ったものが自分を別のところに連れていくそれが一番面白い。誰かと対談するのもそう。
- 44:36喜びの方が大きいでしょ、と言われたらまあそりゃそうだよな、となる。
- 47:46切断性が大事それをできた自分を認識することで「まだいけるかも」という気持ちが蘇る。負のループに入ってしまうと。
- 50:57部分を作っているときの自分と、全体を眺める自分曲作りはどうしても曲の一部分をやるので、そこを考えている自分と、あとから全体を眺める自分がいる。
- 3:28家具とは動かせるものmeuble と immeuble。不動産の対義語としての家具。
- 22:34料理は可逆的である味見してまずくなっても、なんとか復帰できる。
- 33:47ゴドーが来ると分かっている来るかどうか分からないのが『ゴドーを待ちながら』。
- 46:09気分のランダムネスを手放さない雑なときは雑でいい。そういう雑な気分なのだから。
この回で出てきた言葉
- 旨味に特化したパンチェッタ福尾の日記でパンチェッタの話を読んで以来、荘子itも自宅で作るようになった。
- 家具とは動かせるものドゥルーズが二項対立を「家具みたいなもの」と喩えていることについて。
- 家具の音楽フランス語で家具は meuble、英語の mobile に対応する「動かせるもの」である。
- 家具の音楽エリック・サティの概念。
- 気分のランダムネスを手放さない料理も、ファッションも、音楽も、家具のように自分の生活の周りにあって、今日はこれを聴こう、これを作って食べよう、これを着て出かけよう、と気分に合わせて素直にできること。
- 車から出ないで1時間半帰ってきて、車のなかで何かしている時間がある。
- ゴドーが来ると分かっている状態でゴドーを待つ深夜1時の横浜スタジアムの敷地内で、キャンプ用の椅子に座り、電子タバコを片手に、ドリンクホルダーにビールを入れてスマホを見ている朝まで何かを待つおじさんについて。
- 自分が作ったものが自分を別のところに連れていく物を作って出したときに一番面白いのは、自分が作ったものが自分を別のところに連れていってくれるという感覚だ、と福尾は言う。
- 自分の本を真っ先に手に取る収録前のセッティング中、福尾が『置き配的』を、荘子itが『非美学』を読んでいた。
- 切断性が大事負のループに入ってしまうと、その感情の動きの連鎖のなかに身を置いたまま、ずっと鬱状態から出られない。
- ヒップホップは家具の音楽Madlib のレコードを部屋で流すと、めちゃくちゃ溶け込む。
- 夜中に走りたくなることをAIに相談したそうしたら「それは完全に」と言われた。
- 料理は可逆的である長谷川あかりのレシピは調理前の材料を鍋に突っ込んだだけの写真を上げて「あかり信じてるぞ」と言うミームが生まれるくらい、「これいけるの?」という手順で美味しくなる。
この回からの引用
フランス語の家具って meuble って言うんだけど、英語で言うとモバイルに対応する、動かせるものって意味なんだよね。それに対して不動産が immeuble で immobile だから、動かせないもの。
→ 家具の音楽
英語で言うとモバイルに対応する、動かせるものって意味なんだよね。それに対して不動産が immeuble で immobile だから、動かせないものだから。
どっちかって言うとこじんまりとした、家具をちょこちょこちょこちょこ動かしながらものを考えてるみたいな側面もあって、どっちかって言うと僕はそっちの方のポテンシャルを引き出したいみたいなサイドで書いてるね。
→ 家具の音楽
俺にとってヒップホップって結構家具の音楽感があるっていうか。Madlibとかのさ、レコードをさ部屋で流してるとめちゃめちゃ溶け込むんだよね。
箱庭に収められた、レコードの中に収められた音の万華鏡が、でも部屋のBGMとしても機能してるみたいな。
自炊で料理を自分なりにやっていくってことは、料理がいかに可逆的であるかってことを学ぶことでもあると思うんだよね。味見してまずくなってもなんとか復帰できるみたいな。
でもやっぱ料理ってものを、なんか不可逆な魔法だと思わせちゃってる側面もある。
ゴドーが来ることはもう分かってるんだよ。朝何時までここに座ってればゴドーは来る。そのゴドーが来るかどうか分かんないのが『ゴドーを待ちながら』じゃん。
それがだから神が必要ないってことだと思うんだよね。だから待つ対象は何でもいいんだと思う。
やっぱ一番面白いのはさ、自分が作ったものが自分を別のとこに連れてってくれるって感覚がめっちゃあって。
やっぱ一番面白いのはさ、自分が作ったものが自分を別のとこに連れてってくれるって感覚がめっちゃあって。
自炊の喜びとも一緒だよね。自分で抽出した旨味成分を自分がうまいと感じてる嬉しさあるな。
自炊の喜びとも一緒だよね。自分で抽出した旨味成分を自分がうまいと感じてる嬉しさあるな。
気分っていうものの奔放さっていうか、なんか本当にランダムネスみたいなものをいかに手放さないかっていうか、それを無理にコントロールしようとしないかみたいな。
それをできた自分を認識することで、俺まだいけるかもっていう気持ちがちょっと蘇ってくるみたいなのがあるから。切断性大事よね。
→ 切断性が大事