2025年12月8日
疎の話
『置き配的』を荘子itが読み終えて。一番大きい対比は「密のインターネット」と その外側の空間ではないか、というところから、言うべきことで満たされた空間と、 言うべきことがまばらな状態を、程度の差ではなく概念として分けられないか、という話へ。 後半は「疎」という一文字をめぐる語呂の連鎖になる。
話の流れ
- 19:11密のインターネットとその外『置き配的』で一番大きい対比はそこにあるのではないか。この番組で荘子itが言ってきたことに、あの本が全部答えている。
- 20:40村上春樹の妻の短編スパゲッティ茹でてセックスして、という雑な村上春樹批判のステレオタイプ。だがある時期に女性が、しかも妻が主人公の短編を集中的に書いていた。
- 21:41三つの軸がガチャガチャ組み合わさる村上春樹論、カエル化現象、哲学的ゾンビ、そして自分の妻について書いた日記。全然別のものが組み合わさって、それでも成立している。
- 25:53ヒップモップのビートみたいな読書譜面に起こすと16分の17拍になっているのに、聴くと普通に気持ちいいで回収される。構造を追い切れないことが、そのまま気持ちいい読書体験になっている。
- 31:56機械的な疎密の対比言うべきことの密度に圧倒されてアップアップしているのではなく、もはや何も言わなくてもいい状態のほうが良くないか。
- 32:12言うべきことで満たされているインターネットも、ポッドキャストも、カルチャーも「言うべきこと製造機」。誰かがアルバムを出した、誰かが不祥事を起こした、それをウォッチして言うべきことを無数に生み出す。
- 33:09沈黙が悪じゃない状態界隈を作って閉じると、その中に言うべきことがぎっしり詰まり、言っていない奴は既得権益に加担している、沈黙も悪だ、という構図が一瞬でできる。
- 33:40アカデミズムも言うべきこと製造機ビンゴの穴を開けていくような流れ作業感。会話はしているのに流れ作業だ、という感じ。
- 34:24本当に言いたいこと暇で暇で、でもなんか調子いいな。今日楽しかったな。それが本当に言いたいことであって、言いたいことの内容で勝負する局面はそんなに多くない。
- 36:20ソとミツが流行語大賞密は遅いよ、3密から5年後だ。パラノとスキゾは一応候補になっていた。
- 37:00疎という一文字過疎の疎、質素の素、祖先の祖、素っ気なさの素、粗いの粗。おろそかにする、うとい。「うといっていうのが特に好き」。
- 47:00サウンドアーティストとしての聴き方ミュージシャンというよりサウンドアーティストなのだと思う、という聴き分け。
- 59:10つながりを増やす方向メジャー方向に増やしていくというより、もっと変なやつを見つけていく方向性も全然楽しい。
- 1:00:00来週の出張TaiTanの「団地」の忘年会トークイベントに出る。魚豊とポインティがホスト。TaiTanの枠組みで一登壇者として喋るのは初めて。
この回で出てきた言葉
- 言うべきこと製造機インターネットも、ポッドキャストも、カルチャーも、アカデミズムも、 「言うべきこと」を無数に生み出し続けている。
- 構造を追い切れないことが気持ちいいヒップホップのビートは、音楽理論で譜面に起こそうとするとかなり変なことをしている。
- 疎シット「疎」の語呂を繋げていく途中で出てくる。
- 疎という一文字流行語大賞の話から、「ソとミツ」が流行語だったらかっこいい国だ、という流れになる。
- 沈黙が悪じゃない状態界隈なり領域なりを作った上でそこを閉じると、 その中に言うべきことがぎっしり詰まっている状態になる。
- 本当に言いたいこと言いたいことの内容で勝負する局面ももちろんあるが、そんなにしょっちゅうはない。
- 村上春樹「スパゲッティ茹でてセックスして、なんなんこいつ」という雑な揶揄が 男性中心主義批判のステレオタイプとしてある。
この回で触れられた項目
この回からの引用
全然違う別々のものがガチャガチャと組み合わさってるんだけど、でもめっちゃ成立してるっていう。
→ 置き配的
めっちゃここ16分の17拍になってるじゃんみたいなことが、普通に気持ちいいで回収されるグルーヴ感みたいな、いいズレ感みたいなのに吸収されるっていうのにもかなり近い。
カルチャーも言うべきこと製造機だから。誰かがアルバム出したとか、誰かが不祥事を起こしたとか、それをウォッチして、言うべきことを無数に生み出していくわけじゃん。
その中に言うべきことがぎっしり詰まってるし、それを言ってない奴は何らかの既得権益に加担してる、沈黙も悪なんだみたいな構図が一瞬で作られちゃうわけだけど。沈黙が悪じゃない状態ってどうやって作れるのみたいなことを考えると。
やっぱり言うべきことが密な空間と、言うべきことが疎である、まばらである状態っていうのを、単なる程度の差にするんじゃなくて、概念的にかっちり分けて考えることができるんじゃないか。
アカデミズムも言うべきこと製造機だからね。言うべきことをみんなで言っていくみたいな、ビンゴみたいに穴開けていくみたいな。
結局なんか暇で暇で、でもなんか調子いいなみたいな。自分でもふと気づいたら今日楽しかったなみたいな。それが本当に言いたいことであって、言いたいことの内容で勝負するのって、そういう局面ももちろんあるけどさ、そんなにしょっちゅうないんだよね。
疎ってめっちゃいいじゃん。一文字だしね。過疎の疎だけど、質素の素、字は違うけど質素の素みたいな。基本的に質素な感じ。
→ 疎という一文字
おろそかにするとかさ、うといとかさ、何かにうといとか、そういう読み方もする字なんだけど、それも好きなんだよね。うといっていうのが特に好きみたいな。
→ 疎という一文字