思い出のすれ違いの積み重ね
おもいでのすれちがいのつみかさね
『置き配的』の最後のほうにも書いた、と福尾が言う。
番組より
自分が忘れてる自分のことを相手が覚えていて、相手が忘れてる相手のことを僕が覚えてるって、つまり同じ思い出の積み重ねじゃなくって、思い出のすれ違いの積み重ねが親密性みたいなものの定義なんだ。
俺は覚えてるあいつのことをあいつは忘れてるっていう、俺が覚えてる俺のことをあいつは覚えてる、俺が忘れてる俺のことを相手が覚えてるっていう、すれ違いがすれ違いのままで維持され続ける状態みたいな、それがいいなと思うね。
この項目について
自分が忘れている自分のことを相手が覚えていて、相手が忘れている相手のことを自分が覚えている——同じ思い出の積み重ねではなく、思い出のすれ違いの積み重ねこそが親密性の定義なのだ、と。それだけ言うと若干いい話っぽくパッケージングされてしまうけれど、そこからお互いに小さいキャッシュを積み重ね合っているような状態にもなりがちで、無意識に選択していたものの由来にはっと気づく、という話に続く。
2026年9月7日の回
『置き配的』の親密さの定義が、脳内の2人と現実の2人の調整の話からもう一度語られた。親密さには引力と斥力のどちらもある——同じ思い出を積み重ねて「俺らやってきたよな」ばかりだと、ぐちゃぐちゃしたり、共依存になったり、過剰に憎み合ったりする。俺は覚えているあいつのことをあいつは忘れていて、俺が忘れている俺のことを相手が覚えている——そのすれ違いがすれ違いのままで維持され続ける状態がいい。
この項目が出てくる回
関連項目
- 10先という形式形式を発明したのも梅原大吾なのだ、と福尾は言う。
- 恥ずかしいことと恥ずべきことは違う昨日の配信で聞いた、と福尾が紹介するアフォリズム。
- オーディエンスに向けた戦いSNSのレスバトルは、本当の論争をしているのではなく、それを見ているオーディエンスに向けている——という話から荘子itが引き出すこと。
- ちょっと泳がせてみる渋谷でたまたま入った無料の陶芸の展示で、一番好きだと思った作家が知的障害のある人の施設のアトリエで作っていた人だった。
- 1日の終わりのジュースのために作るその陶芸作家は、作品ができて展示されても何も嬉しくないし、人に見てもらいたいともそんなに思っていないらしい。
- 全員が同じ画面を見ている梅原大吾が言っていて福尾が面白いと思ったこと——格闘ゲームが他のゲームと違うのは、対戦相手同士も、見ている観客も、全員が全く同じ画面を見ていること。
- 気にしてもいいが気にしていると思われてはいけないアフターパーティーのイベントに「全身黒で行ったら怒られますか」と聞いてしまうリスナーの話から。
- みんな一定の痩せ我慢をしているネガティブ・ケイパビリティという言葉が嫌いだ、と福尾。
韻を踏んでいること
この項目に言及している項目
- 浅田の残りがまだ暖かい麻布台ヒルズでやっている坂本龍一のアンビエント展の内覧会に誘われて行ったら、「さっきまで浅田さんもいましたよ」と言われた。
- 阿町にいるわ黒嵜想と京都で会うとなったら、だいたい河原町のゲームセンターだった。
- 宇川直宏DOMMUNEを15年やってきた人。
- うちはチェーン店ではありません渋谷の陳家私菜で麻婆豆腐を食べたら、メニューに「うちはチェーン店ではありません」と書いてあった。
- 梅原大吾45歳くらいになっても現役。
- カモノハシ的な存在『博覧狂気の怪物誌』で重要なモチーフになっている、分類不可能な全てを兼ね備えた存在の象徴。
- クソを愛で続ける人たちの系譜『博覧狂気の怪物誌』刊行イベントのテーマだった肛門期固着について。
- 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉荘子itが公開初日に見て、文句を言いながら2回見た新作。
- 後藤護『黒人音楽史』『博覧狂気の怪物誌』の批評家。
- 暫定的道徳デカルトが『方法序説』で、本当の真理の探求のために引きこもるにあたって必要だと言ったもの。
- 10先という形式を発明したのも梅原格闘ゲームは何千回でもやれてしまう。
- 人生劇場の裏に暫定的道徳ありアルバム人生劇場と暫定的道徳の関係について荘子itが言うこと。
- ずっと歪んだ真珠でいるバロックの語源は「歪んだ真珠」。
- 全部自分で書いた唯一の曲冒頭、口ならしのつもりで、Dos Monosで唯一荘子itが他の二人のバースまで全部書いた曲の歌詞を暗唱した。
- その時の自分を迎えに行く絶対に知っている名前(マルコ・ベロッキオ)が出てこないとき、どうやって思い出すかについて。
- 互いに相手のものだと思っている空間『都市と都市』の途中で出てくる、二つの都市の間に何があるのかの仮説。
- 強さを諦める口実としての弱さ弱さを認めることも、弱さをちゃんとさらけ出せるようになることも大事だけれど、強くならないとダメだよね、と福尾。
- 天幕のジャードゥーガル荘子itが「10話まで見た」とすすめるアニメの原作漫画。
- 都市と都市福尾が10年積んでいてWoven βooksを機に読んだSF小説。
- 日記は誰も読んでいないのでは日記ブームと少し距離を取って眺めている、と福尾。
- バカデカい色紙まどマギ新作の来場特典。
- 博覧狂気の怪物誌後藤護の新刊。
- バロックの見せ方で呼び込んでマニエリスムの毒で刺す「実際どう戦っていくのか」に対して後藤護が提案する最良の選択。
- 批評は最悪のものの肯定「置き引きは置き配の対義語である」という言葉遊びから。
- プロビゾワールは即興ではない暫定的道徳の「暫定的」はフランス語でプロビゾワール(provisoire)。
- 迷子になれる街福尾がブッククラブ「Woven βooks」のテーマにした言葉。
- 理論と実生活を分けないと哲学はできない大学で月給をもらい、結婚して子供もいるのに「n個の性」や「器官なき身体」と言っている哲学者の矛盾について。
- 私の血に流れる血いまイメージフォーラムでやっている、荘子itが大学生の時に東京国際映画祭で見て超くらった映画。